ヤングエース5月号(4月4日発売)の僕だけがいない街33話『目覚め 2003.08』のネタバレと考察、そして次回34話の予想についてです。前回、八代学の幼少期の回想で終わり、悟の生死などについて気になっていた人は肩透かしを食らったと思います。そして、次も八代の回想が続くのか・・・?と不安になっていたかもしれませんね。
さて、今回も考察等を行なっていきますが、大いにネタバレしているので、ネタバレが気になる人は先に本誌を見て下さい。ちなみに私は、僕だけがいない街だけが目的でヤングエースを定期購読しています(笑)
33話の概要(ネタバレ)
前回(32話)では八代の幼少期の回想の話で、
八代が躊躇なく人を殺害するようになったキッカケや人格形成の要因となった出来事についての話でした。
「33話でも回想は続くのかな…」
と危惧していましたが、杞憂でした。
以下33話の概要です。
ちなみに時系列で言えば31話で悟が海に沈められた後の話で、
物語はちゃんと進みますが、描写重視のため情報量としてはかなり少ないです。
- 「悟が意識不明の重体である」ということが八代によってクラスに伝えられ、教室は驚愕につつまれる。※作中ではセリフがないので、「」の中身は文脈から推察
- 時間が淡々と進む様子が無声で描写される
- 2003年8月まで時間が進み、悟の母佐知子の描写が続く
- 2006年に悟が住んでいた場所に暮らしている模様
- コンビニのアルバイトをしている
- 悟の事を引きずっている様子
- 上野まで電車で行き、ぶらぶらする
- 悟の「ホントはさ、上野には電車一本で行けるんだ」という言葉を思い出し、佐知子は不思議に思う
- 2話(2006年)に悟は佐知子に『上野へは電車一本で行けない』ということを言ったが、4巻の19話(1988年にリバイバル時)に「ホントはさ・・・」と訂正。←このことを指している※僕街4巻の伏線一覧を参照
- 佐知子は家に帰り、悟の写真や資料の中に埋もれていた、ヒーローのレコードを見つける
- 悟は未だ意識が戻らず植物状態(15年半もの間)
- ヒーローのレコードをかけるとヒーローと悟の1988年の描写が交互に描かれる
- 子供悟が家に帰ってくる描写の直後、悟が目を覚ます
今回は情報量は少なかったですが、胸が締め付けられる描写が多かったですね。
- 雪が止んで、悟以外のメンバーが河原でたそがれている描写
- (恐らく)悟の治療のためにカズ達が募金活動をする描写
- 「夏になったらまた見に来よう」と言っていたクリスマスツリーに加代が一人で行く描写
- 佐知子が親子連れを目で追う描写
- 植物状態で頬がこけてしまっている悟を女手一つで熱心に看護している描写
などなど。
描写は素晴らしかったですが、
重要な情報としては以下の3つくらいでした。
- 悟は命には別状ないが植物状態
- 15年と半年後の2003年8月に意識が戻る
- 佐知子は悟を連れて、2006年の時代の悟が住んでいたと思われる場所に暮らしている
33話の考察
今回気になる点は色々ありますが、
悟が植物状態となり、目を覚ましたことについて考察してみます。
- 植物人間になってしまったこと
- 15年後の2003年に目覚めたこと
この2つについてそれぞれ明確な意味、
三部けいさんの意図があるのだと思います。
1.悟が植物人間になった意味
これについては『リバイバルの代償』ではないでしょうか。
悟はリバイバルで3人の命を救いました。
- 雛月加代
- 中西彩
- ヒロミ
そしてそれだけではなく、
白鳥潤の冤罪も防いでいるのです。
その代わりに悟の殺人未遂として無関係の人(八代が盗んだ車の持ち主)が捕まったと思われますが、
推察ですしややこしくなるのでそれは置いときましょう。
悟は、リバイバルで3人の命の救助+白鳥潤の冤罪防止の代償として、
15年間の植物状態となってしまったのではないでしょうか。
ただ、このリバイバルの条件や代償の有無というのは、
過去のリバイバルではバラバラで全く分かっていないので、
なんとも言えないですね。
2.2003年に目を覚ました意味
次に15年後の『2003年に目覚めたこと』にどういう意味があったのかを見ていきましょう。
元の18年後の2006年ではなく、2003年です。
そこで過去の話を見返していると、思い当たるシーンが有りました。
3巻15話で2006年の悟が図書館で犯人について調べていると、
3年前(2003年)に市内で起きた児童誘拐殺人事件に違和感を覚える描写があります。
➡僕だけがいない街3巻のあらすじと伏線一覧
2003年といえばこのシーンが関係するでしょうね。
つまり、恐らくこの事件も犯人は八代で、
33話のタイムラインも過去と同じように進んでいるなら、
この事件が起こる時には既に市内に八代がいるということです。
33話の疑問と34話以降の展開で気になる点
次に、33話での疑問と、34話以降の展開でどうなっていくのか、
個人的に気になる点について挙げていきます。
- 佐知子が住んでいるのは、建物の様子から2話で悟が住んでいた場所と同じだと思われるが、何故この場所に引っ越してきたのか?
- 東京に引っ越してきたのは医療設備?
- 悟はどうやって助かったのか?
- 特に関係の無い一般人が悟を発見した?
- 八代はもっと確実に悟を殺害することはできなかったのか?
- 八代の動向
- 20話の伏線通り6年の担任は受け持たずに街を去ったのか?※20話の伏線の詳細➡僕街4巻のあらすじと伏線一覧
- どういう経緯で教師『八代学』から市議『西園まなぶ』となったのか(確定はしてないけど)
- 愛梨は存在しているのか?
- 加代、白鳥潤が今後どう物語に関わってくるのか?
- 悟の記憶はちゃんと残っているのか?
追記~佐知子が引っ越した場所について~
佐知子が引っ越した場所(2006年に悟が住んでいた場所)が分かりました。
33話にて、佐知子が上野から電車で帰っている時に見開きで描かれているのは、
京成船橋駅だと思われます。
下の写真と見比べて下さい。
建物の配置からしてここでしょうね。
ここだと上野まで電車一本ですしね。
ということで、普通に考えれば住所は千葉県船橋市ということだとおもいますが、
これが何かに繋がるのかは分かりません。
あとがき
以上、僕だけがいない街33話『目覚め 2003.08』のネタバレと考察についてでした。
そういえば、4月1日にエイプリルフールネタとして、
僕だけがいない街のアニメ化の情報が出まわりましたね。
今後アニメ化してもおかしくありませんが、
2015年4月4日現在アニメ化の予定は無いので惑わされないようにしてください。
まあ、この漫画の伏線や表現をアニメで再現するのは無理がありますし、
一原作ファンの気持ちとしてアニメ化はしないでほしいなと思っています^^;
さて、次回34話はヤングエース6月号(5月2日発売)なので、
発売されればすぐに更新したいと思います。
※更新しました
➡僕街34話のネタバレ・考察はこちら
また、以下にこれまでの伏線や考察等をまとめたので、こちらもご覧ください。
はじめまして。とても鋭い記事で、大変興味深く拝見させていただきました。
>2003年に「市内」で起きた事件
これを見つけたのは凄い!!
手口からしてこの事件の犯人は間違いなく八代でしょうね。
これで2003年に目覚める意味も、佐知子が2006年の悟と同じアパートに住んでいる意味もよく分かりました。
つまりこれから新たな舞台でもう一度八代を追い詰めるわけですね(興奮)!
ちなみに2006年時点でも「千葉県」「習志野ナンバー」といったヒントがあるので、この舞台が船橋市なのはほぼ間違いないと思います。
ところで、2006年と現在の2003年のアパートが同じ場所だと確定できる要素として、佐知子のアパートまでの帰宅経路が第5話と第33話で全く同様に描写されているというのがあると思います。
そこでふと考えたのですが、第5話の帰宅のシーン、ここでは殺害目的で尾行をしている八代の視点から見た佐知子が描かれてますよね?
ということは、全く同じ構図で描かれている第33話の帰宅シーン、これも実は尾行している八代視点のものという可能性はないでしょうか?
漫画の続きが気になり、考察、一気に読みました!まとまっていて楽しかったです。
植物人間になったのは、他人を救った絡みではなく、悟自身の問題かなと。
2003年まで事件が起きないなら、悟は目的もなく同じ時間をなぞらないといけない。でも2003年に事件が起きるから死ぬ訳にもいかない。この次以降の回で無意識に「こうなったのは自分の意思」ってでたセリフはそういうことかなと。
リバイバルの力そのものが、過去の後悔やヒーローになりたかった本人が、無意識に望んだもので本人も気づいてないのかなと思いました。