ヤングエース7月号(6月4日発売)の僕だけがいない街35話『鍵 2004.04』のネタバレと考察、そして次回36話の予想についてです。
前回は物語のヒロイン的な立場の加代に子供がいたというショッキングな展開でしたね。そして、その父親が誰なのか、ここ1ヶ月悶々としていた人は多いのではないでしょうか。
さて、今回も考察等を行なっていきますが、大いにネタバレしているので、ネタバレが気になる人は先に本誌を見て下さい。ちなみに私は、僕だけがいない街だけが目的でヤングエースを定期購読しています(笑)
ちなみに前回のネタバレ、考察はこちら。
➡僕だけがいない街34話のネタバレ考察
35話の概要(ネタバレ)
- 加代はヒロミと結婚して杉田加代になった。子供の名前は『未来』
- 加代は、悟が植物状態になってしまったのは自分を助けたからかもしれないと思い、悟を置いて自分たちだけが幸せになることをためらっていた
- 「自分がこうなっているのは、自分が望んだことの結果である」と加代を慰める(悟にとっても無意識に出た言葉なので驚く)
- 「今家族としていられるのは悟のおかげ」と悟に感謝する加代
- 未来という名前も手伝って、将来漫画家になりたかったことを思い出し、加代の絵を描いてみたが、自分のイメージを遥かに超える絵を描いてしまったことに驚く
- 15年間の眠りから回復した悟に目をつけたゴシップ誌のカメラマンが窓の外の木の上からカメラで狙っているが、佐知子はすぐさまカーテンを閉めて悟を守る
- 悟は自分を守ってきた母親の事を思うが、その母親の願いに反して「自分自身の事に関する疑問を解消したい」という衝動が芽生える
- 目覚めて初めて鏡で自分の顔を見た感想が「老けたなあ」ではなく「痩せたなあ」だったこと
- 今までかけたことがなかったはずの眼鏡を探したこと
- 加代に聞かされた中3の修学旅行の思い出を知っていて映像まで見えたこと
- 国鉄がJRになった時(1987年)は1年経っても違和感が無くならなくて「国鉄」と言っていたのに、「平成」は初めから何の違和感を覚えなかったこと
- 小学生には難しい言葉も全部漢字で書けること
- 佐知子や加代から「大人びたことを言う」「口が達者」と言われること
- 自分のイメージ以上の絵を、自分の腕が勝手に描くこと
- 医師は悟の状態に関して一部は睡眠学習によるものではないかと推察するが、悟は納得出来ない
- 佐知子は悟がもう大人であることを確認して嬉しく思ったと言い、悟にケンヤが記したファイル『親愛なる藤沼悟へ』を渡す
ここから『親愛なる藤沼悟へⅡ』の内容で、事件後に悟るが植物状態になってからの描写です。
- 悟は集中治療室に1ヶ月過ごし、状態が安定していたためその後一般病棟に移る
- 入院から3ヶ月経って植物状態から回復の見込みが無い悟の治療を中断しようと医師に提案されるが、佐知子は断固拒否する
- 1989年7月(入院から1年4ヶ月後)長期療養可能な千葉の病院に移る
- ケンヤ、ヒロミ、加代、カズ、修、彩は入院費のために募金活動をしており、悟が最後に救おうとした美里も手伝う日もある。これは今も継続している
- 3年近く入院した後アパートで自宅療養を開始
- さらに9年経った時、急に自己呼吸を始め、睡眠状態まで回復した
- ヒロミはいつしか医者を目指しており、ケンヤと澤田は一緒に真犯人を追い続けている
- 「恩着せがましく書いてるように感じるかな(笑)?そうじゃないんだ。あの時、君は僕らのヒーローだった。君に追いつきたくて君と一緒に戦いたくて今の僕らがある。それを君に知って欲しかった。」
以上が『親愛なる藤沼悟へⅡ』の内容です。
- 仲間が自分と母親の事を思ってくれたことに感動して涙する悟
- 『親愛なる藤沼悟へⅠ』を読んで加代や中西彩を救った空白の時間を知るが、断片的に浮かぶ景色はあるものの思い出せないでいる
- 白血病と思われる少女久美ちゃん(9歳・小4)にある時から慕ってもらえるようになる
- 久美ちゃんと仲良く話している所をゴシップカメラマンから下世話なネタとして狙われる
- そこに片桐アイリと思われる女性が颯爽と現れ、カメラマンに拳をぶつけて「バカなの!?そんなデタラメにカメラを付き合わせないでよ」と一喝
35話の考察・感想
それでは、35話の考察について移っていきます。
考察といってもそんなにするようなことも無いので、
感想がメインになりますが、以下5つのことについて述べていきます。
- 加代の旦那がヒロミだったことについて
- アイリの再登場について
- アイリの夢はカメラ関係の仕事?
- 何故悟が知るはずもない中3のヒロミの記憶があるのか?
- 加代を励ます悟のセリフは澤田のセリフからきている
加代の旦那がヒロミだったことについて
加代の結婚相手が誰なのか、1ヶ月間ドキドキしていたのに、
すごく身構えてめくった1ページ目でサラッと書いていました。
「今は結婚して杉田加代になったよ」
相手が八代ということも頭をかすめていたので(展開上考えにくいですが)、
少し安心しました。
しかし、前回は物語とは全く無関係な人が相手だと予想していたので、
これは意外な展開でしたね。
最初は何故相手がヒロミなのか納得いかなかったのですが、
本来殺害されるはずだった二人なので、そう考えると物語上は自然な成り行きなんでしょうか。
完全にヒロインとして見ていた加代が他の人と結婚していたというのは若干ショックでしたが、
アイリの登場もありだいぶ和らぎました。
アイリの再登場について
アイリの再登場は嬉しい半面、腑に落ちない部分もあります。
加代を救った後の5巻25話で、
夢の中でアイリとすれ違う描写があったり、「きっとあの2006年はもう無い」というモノローグから、
アイリがこんな風に再登場することは思ってもいませんでした。
雛月加代を救った代償としてアイリが生まれてこないというのも想像していましたしね。
本作序盤でアイリの言葉から加代の事件のことを思い出したり、
加代とアイリが共通の発言をしたり、加代が殺害された時期にアイリが生まれたことから、
『アイリの加代生まれ変わり説』まで考えましたからね(笑)
アイリの夢はカメラ関係?
35話を読んだ人はアイリの言動に少し疑問を持ったかもしれません。
「バカなの!?そんなデタラメにカメラを付き合わせないでよ」
「カメラは嘘をつかないんだから」
いや、アイリってそんなにカメラ少女だったでしょうか?
思い返してもそんなイメージないですし、
アイリの部屋を見なおしてみましたがカメラなどはありません。
確か1巻の1話で、バイトの動機を悟に聞かれた際、
「自分で稼いだお金でやりたいことがあるんだ」
と言っていますが、カメラマンやジャーナリストになるのが夢なのでしょうか。
それらしい伏線もないですし、
新しい設定なのかなと思いかけていたその時、
1巻4話に『それ』を見つけました。
佐知子が駐車場で誘拐未遂の現場を目撃する場面です。
風船を配っているお姉さんが何個か風船を手放してしまい空に舞い上がっていきますが、
それを「あ、キレーな絵」と指で枠を作ってその風景を収めます。
これはその伏線でしょうか?
うーん、なんか微妙ですが、
これ以外に特にカメラに関する描写も見られないので、一応これを挙げておきますね。
何故悟が知るはずもない中3のヒロミの記憶があるのか?
■追記
これは36話で解決しました。以下は35話を読んだ段階での私の的外れな考察です(笑)
これは作者のミスでは無いでしょうか・・・。
修学旅行の思い出を加代に当事者のように語っている場面です。
中3の修学旅行のことを話すのは、
悟が18年のリバイバルをする前の世界の記憶があるからですね。
しかし、その世界ではヒロミは小6の時に殺害されているので、
「ヒロミがワセリンで止血したんだよ」
という、この世界でしか起こっていないはずの出来事を悟が何故か知っています。
これは明らかにおかしいですよね。
最初は悟ではなく加代がこのセリフを言っているんだと思いましたが、
前後の文脈や加代の表情から、これは悟が言ったセリフであると考えて間違いないでしょう。
もしかしたら何らかの伏線かもしれませんが、どうでしょうか・・・。
悟の年齢の件も誤植だったみたいですし、
作者のミスというのも、ない話ではないです。
ちなみに、年齢の誤植の件については詳しい情報をコメント頂きました。
➡僕だけがいない街の矛盾点①悟の年齢は28歳ではなく29歳では?
かっぱさん、ありがとうございます(^^♪
☟私自身購入して確認しました。
■追記~もしヒロミの件が伏線だったなら~
もしも「ヒロミがワセリンで止血したんだよ」というのが伏線だった場合、
面白い展開になるのではないかと思い考察しました。
予想としては、31話(悟が川に沈められて意識不明)~34話(悟が病院で目覚める)の間で、
1回(もしくは複数回)リバイバルが起きているのではないかと考えました。
現段階で情報があまりないのでほとんど妄想になってしまいますが、流れとしてはこんな感じです。
- 31話(悟が川に沈められる)
- 悟、病院で目覚める
- 佐知子は悟に、ケンヤのファイルを渡さない
- 修学旅行のヒロミの件は加代に聞く
- 悟はなんやかんやあって八代に狙われる
- ケンヤのファイルもなく記憶もないので、八代を疑わない
- 悟(もしくは身近な人)がピンチ
- 植物状態の前(もしくは植物状態中)までリバイバル
- 記憶を失う
- 34話(悟、病院で目覚める)
これなら割りと整合性はとれていると思います。
35話で悟は「ヒロミがワセリンで止血したんだよ」とは言っていますが、
悟が思い浮かべたと思われる絵にはヒロミは入っていません。
これは前の時間軸で聞いた話であり、
悟が実際に経験した修学旅行にヒロミはいなかったから。
そして、佐知子がファイルを渡さないと上記のループを繰り返し、
佐知子がファイルを渡すことがループから離脱するきっかけになる。
もしそう考えると、35話の佐知子のセリフ、
「悟は『時間の中に閉じ込められている』みたいだ。あたしが出してあげなくちゃ」
というのは状況にピッタリです。
佐知子が施した悟への睡眠学習も今後何かしら絡んできそうですね。
さて、書いて改めて思いましたが、
ほんとこれは妄想です(笑)
整合性自体はとれているように思いますが、
この展開が今後物語的に面白くなるのかどうかはわかりません。
ヒロミの件が作者のミスか、伏線かなども合わせて、
是非色んな人のご意見いただけたらなと思います。
加代を励ます悟のセリフは澤田のセリフからきている
悟が加代を励ますシーンで思いがけずに出た言葉は、
3巻17話での澤田の言葉ですね。
35話で悟は「加代、僕の運命は僕のものだ。君が責任を感じる必要はないよ」と言っていますが、
17話で澤田は「僕の運命は僕のものだ。君が責任を感じる必要は無い」と悟に言っています。
以前いた世界で誰かが言ったセリフを、
リバイバル後の悟が無意識に口にするというパターンは多く見られますね。
またこれは関係ないかもしれませんが、
35話でこのセリフを受けた加代が「口達者だね」といったのに対し、
17話での悟も『口が達者な男だ』と反応しています。
こういう細かい伏線がそこら中に散りばめられているので、
それを見つけるのもこの作品の楽しみの一つですね。
あとがき
以上、僕だけがいない街35話のネタバレや考察についてでした。
できるだけ早く記事にしようと思ったので、
考察が足りなかったり、過去の話など見落としている部分もあると思いますが、
発見次第この記事を更新していこうと思います。
次回、アイリ登場で悟とはどういうファーストコンタクトになるのか、非常に気になりますね。
さて、今月号で発表がありましたが、
単行本6巻は7月4日発売予定です!
来月号のヤングエースと同日に発売されるみたいですね。
是非予約してコミック売上に貢献しましょう(笑)
➡僕だけがいない街6巻をAmazonで予約
それと、この一ヶ月でコメントをしてくれる人が増えましたが、
中々返信できずにすみませんでしたm(__)m
コメント貰うとすごく嬉しいですし、
このブログでは色んな人の意見を反映していきたいと思っています。
今月号35話の感想や気づいたこと、今後の展開予想などありあましたら、
是非コメントよろしくお願いします。
次回36話はヤングエース8月号(7月4日発売)なので、
発売されればすぐに更新したいと思います。
※更新しました
➡僕街36話のネタバレ・考察はこちら
アニメ化決定しました!!
修学旅行のことは怪我の話だけ記憶にあるんじゃないですか?
思い浮かべだ映像にヒロミはいないし
なみおさん、コメントありがとうございます!
「ヒロミがワセリンで止血したんだよ」
というセリフを加代が言っているのであれば、その解釈で間違いありません。
私も最初はそう思っていました。
けど、前後の文脈や加代の表情から、
このセリフは悟が言っていると考えられるので、おかしいと思いました。
こんばんは はじめまして。
ヒロミが~のくだりに関しまして。
今の悟が知るはずもない台詞を、加代に言ったように
読者が知らないだけで、実は悟が経験したから言ったと思っています。
佐知子が言っていた『時間の中に閉じ込められている』みたい というのがヒントかなぁと
こよみさん、貴重なご意見ありがとうございます!
確かに佐知子のあのセリフは意味深ですし、悟の「ヒロミが~」のセリフが『実は悟は読者が知っている以上に多くの時間軸を経験していた』という伏線だとすると、面白いですね。
これが作者のミスじゃないとした時の考察を改めて立ててみようと思います。
レス感謝であります。
あとひとつ伏線回収というか、
ケンヤは雛月の事を名前ではなく苗字で呼ぶんです。
加代からはケンヤと呼ばれるのに。
なぜかなーと思って見返すと
4巻#21で悟に対し『悟だけ加代と呼べよ』といってます。
ずっと義理立てて言っているのか、それとも何か思惑があっての事なのか。
ちなみに、私も【僕だけ~】が目的で毎月買ってます。
あの白血病の子がアイリの妹?
みみさん、コメントありがとうございます!
物語の流れ的にはあの少女はアイリの妹かもしれませんね。
アイリがあの病院に現れたのも納得できます。
ただ、これまでに「アイリに妹がいる」という描写もありませんでしたし、もしあの少女がアイリの妹なら、何らかの伏線を張っていたと思います。
なので、個人的にはアイリの妹ではないような気がしますが、正直まだ情報がなさすぎるので分かりませんね。
いつもまとめ楽しく読ませてもらっています。
単行本の35話を見返していて、あれ?と思ったカットがあったのでみなさんの考えをお聞かせください。
記憶を失った悟にとって、ファイルⅡに登場する彩は面識がなく、そういう意味で174ページ(といっても探しにくいので、「ファイルⅡを読んで涙が出た」のページ)の下のカットで彩の顔に大きなクエスチョンマークがあるのは合点がいきます。ケンヤのファイルを読んでも悟の主観では名前から顔が浮かばない人物だからです。ただ、そうすると、他の彩が出てくるカットで普通に彩の顔が描かれているのはわからない。たとえば、次のページの左上のカットには普通に加代と彩の顔が描かれています。この一つのカットだけ彩の顔が不明なのはどういう意味があるのでしょうか?
コメントありがとうございます!
仰るとおり、彩の顔が描かれていないのは、これが悟の主観だったからで、面識のない彩の顔が分からなかったからですね。
あとそれだけではなく、ここは悟の心情が強く現れているので、悟が思い浮かべた映像を明確に強調したコマなのではないかなと思っています。
そして、他のコマで普通に彩の顔が描かれているというのは、その3ページ前の募金活動をしている時と、次のページの加代と一緒に描かれているもの、この2つです。
募金活動をしている彩の顔が描かれているのは、ここは悟の主観(モノローグ)ではなく、ケンヤのファイルの内容で、ケンヤの主観だったから。
もう一つの加代と一緒に彩が描かれているのは、このコマは悟の主観ですがそんなに特別なコマではないので普通に描かれているのではないかなと思います。